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LOGOSさんの月に1,2回古書店

2009年 07月 31日 ( 1 )

沈黙≒連結

久々に読書日記。
いろいろ読んではいるのだけれど、
あえて感想をここに書き込めるのは限られる。
ヒットしない本もあれば、ヒットしすぎて感想を書けない本もある。

『13歳の沈黙』(カニグズバーグ作品集9・岩波書店)を読む。
以前から何度も借りてきて(タイトルにひかれる)、
それでも読めなくて返却し続けてきた本の一冊。

ニューヨーク近郊の中流階級の子どもを描いたら
ピカイチの、カニグズバーグの作品たち。
12歳ではなく「13歳」を題材にしたところが新しい1歩、と解説は言う。
私が感動してしまったのは、
以前このブログにも書いた、左目のまばたきだけで本を一冊書き上げた
人の実話「潜水服は蝶の夢を見る」の本のことが、出てきたことだ。。。
(5月のブログにあります)
『13歳の沈黙』の中ではその本は『飛びこむ鈴と蝶々』になっているけど。
フランス語の原題がわからないので、なんともいえませんが、
「跳びこむ」≒「潜水」って感じでしょうか??

とにかく。
ある事件の現場にいた、言葉を失ってしまった(癇黙状態にある)13歳の少年、
ブランウェル(通称ブラン)と、その親友コナー。
沈黙したまま、事件の重要参考人として保護施設にとどめ置かれるブランのために、
コナーはいろいろ考える。
弁護士ではなく、友人として。
その過程で『飛びこむ鈴と蝶々』の本が出てくる。

コナーのお母さんがあるブッククラブに入っていて、
そのクラブで提案する本を探すために書評を読み
そしてこの本が話題になり、内容をお父さんとコナーに話した、
という設定(『13歳の沈黙』は2000年の出版)。
まばたきだけで本を書いた、という場合、その本の著作者は誰か、
なんてこともちゃんとコナーに考えさせている。

なんか、すごくいい。こういう関連付け方。
そしてその多感な13歳の少年コナーは、言葉を話さない友人のために
何があったかを解明するために、カード方式を発明する。
はじめは関連のある単語を、そしてついにはアルファベットで、同じように。
この本の中で「沈黙」はとても雄弁に語ることになる。

13歳の時にこんな友情に巡り合えた二人は幸せだろう。
せめて私は、13歳の自分のために、今からでもカード方式で、
まばたきか、ノックか、わからないけど聞こえてくる微かな音に耳をすませて、
伝わってくる何かを受け止めよう。
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by iwashido | 2009-07-31 12:58 | 読書日記 | Comments(0)

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