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古本LOGOSの 月1,2回古書店。

9月21日のこと。

9月21日(土) 朝から雨。
 今日はいしかわ古書フェスが午後から始まるので、午前中早めに家を出るつもりだった、でもいつものことだが、当日直前の荷物積み、急ぎの発送物を本局ポストに投函、お釣りはあるか、紙袋はー、なんてやっているとすでに15分遅れ、それでも本局ポスト以外は信用できない(翌日回収になるかも)ので、レタパ➕を強引に押し込む。ギリギリ3センチがビミョーだったので、安全策を取った。そしたらその時、「ヤバ、携帯忘れたかも。。。」と気づく。別の車で同行してくれた家人が家に取りに行ってくれた。この時は、まだ雨は普通。ちょっと強くなってきたな、の気分。予定より結局30分遅れで出発。ワイパーは動かしっぱなし。
スマホではなく、ガラケーとiPad twinセットの私は、車に乗るともう天気予報の雲の動きも見られない。ラジオは聞かず、気に入ったCDを何回も聞く。この時は、ベートーヴェン後期三部作。なんだか雨が強くなってるなーと思いつつ、里山海道乗って、別所岳付近でピロリロリン🎵と、アラート音。なんか、穴水辺りで土砂災害警戒情報? でも穴水過ぎちゃったし、行くっきゃないわけです。後戻りは考えにない。後ろからついてくる家人の車が安全運転でスピードを出さないため、あまり距離感を開けるのもなんだかなー、でいつもより控えめに走ったと思う。白尾で10時、駅には10時半だなー、もうみんな終わってるよなー、と思いつつA堂さんにメール。
予定どおり10時半過ぎいつもの場所着。誰もいない。カーゴだけある。二人で荷物下ろし、カーゴに乗せているとA堂さん来る。雨、大丈夫? 珠洲は? といわれるが何のことか分かららない、まあ降ってましたけど、大丈夫でしたよ、と間抜けな返事。
 地下で設営。箱中心の、テーブル三台。帰りは一人になるので厳選された選書、でも変わり映えしないのは本人が一番自覚している。来る人来るスタッフが皆「能登、大丈夫なんけ。大雨やじ?」とか聞いてくるけど、出てくるときは大丈夫でしたよ、としか言えない。テレビですごい事になっとるよ、と言われて大型テレビの前に行くと、川が濁流(どこの川かは不明、輪島?)、若山川氾濫(決壊箇所有)、市役所前水浸しの映像が。うーん、でもわたしはとにかく11時半までに設営しないとダメやし、11時過ぎに七尾にボランティアに行くために東京からやって来る友だちのことも気になるし、箱の置き場展示を指示し、ガムテープ止めて、ときどきテレビ見て。紫色の線状降水帯が輪島から外浦付近を通過中? なんじゃこれは、ありえない量の大雨が降っているようだ。
友達は11時ころいつものようにマイペースさでテーブル見つけてきてくれて、なんか買おうかなー、と言ってろごすくんバッグを買ってくれた。フライングですみません。11時20分くらいの七尾線で七尾に行くという。関連団体のボランティア兼、研修らしい。月曜日に再会することを約束して、また設営。12時少し前に参加者集合してイベントスタート。今回は正直、自分も広報不足だったし、行くチャンスのあった県立図書館にチラシだけでも置いてくれば良かった、、と思いつつも、始めから硬めの言語学系の本を買ってくれる方が現れ(値段やすいからね、、、高くつけられない、、相場もよく分からないし、、)あらーありがとうございます、という感じ。
正直、二年間に3回の地震で身も心も疲れ果てた、でも1番きつかったのは2回目の後かなー、あのときは珠洲だけで被害の割に注目度低かったし、やる気をすっかり失った。今回は、元日からの大地震で、奥能登一円で、会う人みんなに心配されて避難所生活、水なし生活も最初はそれなりに楽しかったし(語弊があるかと思いますが、楽しむしかない、、ってか)、メタ現実や読書に逃避しまくったのでなんとか乗り切れた。極め付けは真夏に入院したこと。暑い家でアセモに悩まされながら食事を作りというストレスから解消されたことで超リフレッシュしてしまった。ありがたいことです。

イベントは、最悪だった去年の某催事より手応えあったような気がするし、今は金沢に拠点(みなし仮設アパート)があるので移動が楽。ホテルや友人宅に泊まる気兼ねもなく。売り上げは、他店と比べれないことを鉄則とし、自分なりに赤字にならず、 持って帰る本が減り、これはもう捨てようと思える本の選別もでき、言うことなし。二日間の参加者枠を作って下さり感謝(古書フェス自体は三日間開催)。
スーパーや書店内での催事とは違う、なんか本好きがふラーっとやってきたり、常連さんが顔を見せてくれたり、思いがけないものが売れたり。やはり、準備が大切なのだ。古本屋何年やってるのでしょうか。まだ一箱古本市の頃の気持ちが抜けない、永遠のアマチュア古本屋だ。でもそれでいいのかもしれない、と思い、奥能登の大雨からわたしを守ってくれた、今年のいしかわ古書フェス2024でありました。
(追伸)土曜日昼には金沢駅にいたオットは、家に残してきた柴犬の散歩のために、午後3時過ぎに金沢を出て、午後7時前には自宅に着いたと✉️がありました。国土交通省が、メイン道路の倒木箇所などを早めに通行できるようにしてくれたそうです。でも幹線から外れた道の被害の酷さを翌日、痛感させられた模様。。。
ヨブ記をよむか、お祓いをするしかない、今の奥能登です。
国はあてにならないことがよくよく分かってしまったので。
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# by iwashido | 2024-10-02 22:09 | 季節のできごと | Comments(0)

いしかわ古書フェス2024 無事終了しましたー💕

9月21日(土) 朝から雨
 今日から三日間、金沢駅地下広場で「いしかわ古書フェス」が開催される。
 はじめは参加無理ー、と思っていたが、二日間の出展も可能ということで
 土日だけ参加する。これも金沢に泊まる拠点があってこそ。

今回の目玉は、ろごすくんバッグの刷新、一回り大判の、厚手サイズにしました。
納期ギリギリの綱渡りで、ちょっと画像サイズが大き過ぎたか。。賛否両論。
今度ネットショップでも販売しますので、ご希望の方はご連絡ください。
送料込みで1枚1000円(税込、送料込み!)
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# by iwashido | 2024-09-25 11:31 | ロゴス&LOGOS | Comments(0)

気分はつげ義春?

9月某日 雨。
 明後日から始まる古書フェスの値段付を今頃追い込みでやっている。
 前回イベントの使い回しってのも嫌だし、今回はスペース少なめで
 二日間出店だから、厳選、セレクト、軽いもの(紙類?)、なのに
 なかなか集中できず、はかどらず。
 ちまちまと古い文庫本に激おち君でクリーニングしながら
 値段をつけていると、駄菓子屋の気分。。露天商か。つげ義春気分。
 
 今回は本調子でもなく、バイトくんがいない可能性が高いので、
 皆さんから元気とやる気をもらいに行く。
 古本屋なんかやってていいのだろうか、もっとやるべきことが
 あるのでは、と思うけどまずは目の前の木箱一つをいっぱいにし
 セレクトし、値段をつける。いらない本を捨てるのは、またあとで。
  
 きゃー、時間ないよー、夕ご飯の時間がー、買い物がー、
 となるのは目に見えていたのに、食後の朝ドラ二度見がやめられない、
 よねさんと寅ちゃんの関係が好きです。
 わたしもある意味、よねであります。早く自立しよ。
気分はつげ義春?_c0107612_16122730.jpeg

# by iwashido | 2024-09-19 16:13 | ロゴス&LOGOS | Comments(0)

夏の終わりの台風騒動。。

8月某日  暑い夏でした。台風も日本を縦断中です。
      いまの状態の能登半島に台風直撃されたらどうしよう、
      と思っていたので、最悪のケースは避けられたようで良かったです。

      自分は、7月中旬から約4週間、膝の手術のため某病院に
      入院していました。不愉快な住環境からの一時的な逃避、
      三十年来悩まされてきた膝痛に、大鉈を振るって整形外科
      手術を行いました。私が死んでも(火葬されても)
      手術で入れた人工関節は、骨と共に残ります。そういう足になった。
      まだ完全に馴染んでおらず、通常のようにスタスタ歩くのは
      無理ですが、ゆっくり、転ばないよう、杖を使ったりして
      車の運転も可能な状況にはなりました。日々療養中です。

      病院では三食の食事を提供され、きちんと眠る時間を確保でき、
      リハビリと入浴時間以外はほぼ読書したり、新聞読めて
      楽しい4週間でした。家に戻っても、まだマンガ読んで
      ダラダラ、最低限のことしかしない、非常にルーズな生活態度
      です。幾つか買取依頼を承っている方、もう少しお時間下さい。

      こうなってくると、身体がいかに大切か痛感いたします。
      本を読むだけならともかく、それに付随する、売る、仕入れる、
      文章を書く、投稿する、発表する、などは肉体が伴います。
      自分だけの心地よい仕事場が欲しいです。怠けてばかりですが。

      そんなわけで、ブログの更新も滞り、通販サイトも閉めたまま
      ですが、もう少しリハビリ通院最優先で、年相応の肉体と
      健全なる精神を取り戻すべく足掻いておりますので、
      ご理解のほど宜しくお願いします。(古本LOGOS)
夏の終わりの台風騒動。。_c0107612_17393807.jpeg
     

# by iwashido | 2024-08-30 17:40 | ロゴス&LOGOS | Comments(0)

短距離ランナーの孤独(フィクション)

8月某日 晴れ
     いつからオリンピックは真夏に開催されるようになったのだ。
     昔、ジャポネという国では10月に開催され、開会式の日を記念して
     その国の祝日にした、という話を「オリンピックの歴史」の講義で
     聞いたような気がする。別にボクたちの国では一年中太陽は友だち
     だから、なんていうこともないのだけれど。

     今日は陸上競技、男子100メートル予選の日だ。7組行われ、
     各組上位3着までは自動的に決勝に進める、それ以外に選外でも
     タイムの良かった三人がお情けで決勝進出に加えてもらえる。
     世界が変な平等主義になったせいで、ボクのようなサードパーティ
     の国で足だけ速くて学歴もなく、ストリートでスリまがいのことに
     手を出しかねない人間にも、特待生という名目でトレーニングの機会
     が与えてもらえるようになった。選手の競技人口の拡大か、
     人種差別解消のためか、よくわからないけれど。
      
     オリンピックは国と国を繋いで平和を希求するなんて、よくいうよ。
     それなら特定の地域への意図的な爆弾投下はすぐさま止めて欲しい。
     世界はもう何年も前から戦争状態だ、それが武力攻撃という形を
     取らなくても、経済という名目で国と国は戦っている。 
     ともかく今日は大事な予選なのだ、一組目の3レーンなんて、
     ちょっとドキドキする。コーチは言った、大丈夫だ、お前の
     走りは誰にも負けない、その若いカモシカにような足で真っ直ぐ
     100メートルを全力で走り切れ。おなじ組に誰がいようと
     関係ない、たった10秒だ、息を止めていても走ることができるさ。

     女子の800メートル予選が終わって次はボクたちの番だ。
     待機場所からフィールドに出る、1時間前は棒高跳びの横で
     アップをしていた、30分前には招集がかかり、地下のロッカールーム
     でスパイクとソックスの点検をした、それからリラックスする
     おまじない。ボクの石を握り人生で一番楽しかった瞬間を思い出す、
     仲間たちと村中を気ままに走っていたとき、きっかり100mある
     橋の上の徒競走で一着になったとき、スポーツ特待生に選ばれたとき、
     そしてオリンピック代表選考レースを走り切ったとき。
     順位は関係ない、ボクはただ走ることが好きなのだ。

     そしていま、ボクは大観衆の見守るトラックの片隅にいる。
     なんだろう、こんな感じは初めてだ。皆んながボクたちを見ている。
     そしてテレビカメラが近づいて来る、レーンの各選手を紹介する
     のだ、国の名前が入ったランニングシャツと、自分の名前が印刷
     されたゼッケンを指で指し示す。隣のレーンの男はやけに陽気で
     シャツはイエローだし、頭は編み込みに腕には入れ墨、そして
     ボクにまで笑顔でウインクをしてくる、大丈夫さ兄弟、これは
     壮大なお祭りなんだ、リラックスして走ろうぜ! そう語り
     かけられたようだ。国の代表者の人たちの8割、少なく見積っても
     7割の人の肌は茶色い。黒い、というほど黒くはないが.少なくとも
     白くはない。一番外側のレーンの、北欧諸国の代表は、金髪碧眼で
     まるで物語に出て来る王子様のように見えた。ロッカールームでも
     異質だった。USAの代表も黒に近い肌の人だし、フランスも然り。
     アフリカ諸国やカリブ海、インド洋諸島の人も同様だ、ボクたち
     は仲間だと思う。

     テレビクルーの姿がトラックから消えて、スタートの用意をするように
     促された。スタートの練習は少し足りなかったかもしれない、なんだか
     ルールがその都度改正され、AIだかコンピュータテクノロジーの進化
     で正確に順位が測定される、そしてスタートも、昔のオリンピック動画
     ではフライングでやり直しはよくある出来事だったのに、今では
     フライングは1回でもしたら、失格だ。

     フライングだけはしないように気をつけよう、1から60まで正確に
     一分間のリズムで刻むことはできる、ピストルがなって1秒、スタート
     してしまえばこっちのものだ、ボクはただ走ればいい。
     多分この組の選手でボクは一番若手で経験が少ないだろう。
     世界選手権なんて大会に出たこともないし、オリンピックも初出場、
     こんな立派なスパイクを与えられたのも一年くらい前だ。でも靴が
     いいと走りがこんなに違うなんて、知らなかった。ボクのタイムは
     みるみる縮んで、選考代表基準記録を出すことができたので
     この場所にいることができるのだ、神よ、感謝します。ボクらを
     生ませしめた大いなる女神、我が民族の聖なる神。

     隣の隣のレーンの選手の十字架のペンダントが光ったと思ったら
     レディ、ーセット、ピストルの音が鳴った。ボクは人より感覚が
     過敏だと言われる、目に入るもの、耳に入る音に優先順位がつけられ
     ないのだ。ピストルを聞いてから1秒、フライングするよりも出遅れ
     たほうかいい、とコーチは言った。フライングは失格だが、出遅れは
     挽回できる。綺麗に一斉スタートができた、と思ったところに鈍い
     ピストル音、誰かがフライングしたのか、ボクの目には横一線に
     見えたけれど、走ることを止め、スタートラインに戻ろうとした時、
     審判がボクの方に近づいてきて、赤黒のカードを提示した。

     失格だそうだ。フライングスタートをしたのはボクだった。
     抗議をするが受け入れられない。OH、NO! というが
     むしろサバサバしていた。こんな大観衆に身守る中で昔の
     コロシウムのようなところで競馬のように走ったって何が
     楽しいもんか、きっとコーチには怒られるだろう、おまえには
     欲が足りない、ハングリー精神ってものが、何がなんでも
     勝ってやろうという気持ちを持て、と言われてもわからない。
     ボクは孤児だから、たとえ金メダルを取ったって心から
     喜んでくれる人もいない、お金も欲しくない、あったって
     使うところもない、住まいはストリート、それで充分だ。

     コーチの落胆する姿を想像したら悪いことをした、と
     言って謝ろう。でもボクはむしろさっぱりとした気分で
     二度目のスタートが始まる前に会場を後にした。

     耳の奥で、故郷の風音が聞こえたような気がした。
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# by iwashido | 2024-08-04 16:59 | ロゴス&LOGOS | Comments(0)

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