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古本LOGOSの 月1,2回古書店。

太郎の母としてではなく。

NHKラジオの土曜日朝の朗読で。
耳が吸い付くように聴いてしまった作品は
岡本かの子の「鮨」という短編。

ちくま日本文学全集の「岡本かの子」に、
あにはからんや、収録されていた。
さすがは「小さな本格派」?!

虚弱な男の子の、食べ物に対する嗜好というか、
食べたくても食べられない空腹感や、
母親が握ってくれた鮨を初めて食べるシーンの描写は圧巻。
朗読では多少割愛された文もあり、
全編通して読むと初めて全体が見えた。
(メインは、鮨屋の看板娘と、常連客(男の子のその後)の関わりかな?)

岡本かの子は、言わずとしれた、芸術界の巨匠岡本太郎の母であるが、
太郎の母としてではなく、
一人の生身の人間として、人生の後半に小説を書き始めた。
(それまでに短歌等ですでに文藝の世界には関わっていたけれど。)
かの子の小説家デビューといえるのは47歳であった。
by iwashido | 2011-10-22 13:46 | 読書日記 | Comments(0)

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