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LOGOSさんの月に1,2回古書店

サンカクは好きですか?

いろいろあった平成25年度(年度なので、3月末〆)も終盤。
ここにきてようやく一息つけた。
長いようで早い一年でした。

ところで、本に囲まれる職場で一日の三分の一以上の時間を過ごすが
だからといってずっと本を読んでいるわけでもない。
たくさん本があるからと言ってすべてを読みたいと思えるわけでもないし。
その本を手に取らせるには、何かきっかけが必要、ということを痛感した。

きっかけは他校の図書館報。多くの公立高校では年度末に印刷所でつくる
「図書館報」を発行し、生徒会誌などと一緒に県内の学校等へ配布する。
それらは職員室で回覧されたのちに、図書室等へ回ってくるのだが、その中の一つから
読んでみたい、と思える本を発見した。
その学校では、図書委員会の活動として「読書会」を行っていて、そのテキストが
『黄色い目の魚』佐藤多佳子・著/新潮文庫だったそうだ。
この本は多くの高校図書館には蔵書されており、本校も例外ではなかった。
『一瞬の風になれ』と同じ著者の、高校モノであることはしっていたが、これまで読指は動かなかった。
しかし、その館報での紹介のされ方を読んで、がぜん読みたくなった。

私の中では「黄色い目の魚」というタイトルが意味するものがわからなくて、
おセンチな高校生活小説なら読みたくないし、読んでもなぁ。。と思ってしまっていたのだが、
「黄色い目の魚」≒「サンカク」という名の魚キャラで、そのキャラは主人公の女の子が
小学校の時に書いた絵の失敗作(学校評価的には)をもとに絵描きである叔父さんが
作り出した漫画の主人公で、その性格は主人公の女の子によく似ていて、
意地悪で意地っ張りで目がサンカクでカンシャク持ちで、嫌われ者で。。。

こんなキャラなら読みたい、読まなくちゃ、と思うわけです。
だってそれは小さい時の自分みたいだから。

その図書館報で紹介されていた読書会のポスターのキャッチコピーは
「キミはサンカクが好きか?」みたいな感じで、
これはもちろん「黄色い目の魚は好きですか?」という問いかけよりもずっと
語りかける力が強いように私には思えた。
え、サンカクってなにさ、なんなのよ~と知りたくなるではありませんか。
丸、じゃなくて、シカク、でもなくて「サンカク」がいいのかもしれない。

ともかく、その本を借りてきて読んでいます、読みました。
高校生にここまでさせるか・・という感じのこともなくにはないけど
湘南という土地柄を考えればありそうな話ではある。いや、きっとありなんだろう。
でもベースになる二人の主人公(女子と男子)の関係性はものすごくゆるぎなくて
つながり方の描き方が絶妙で、「絵(イラスト含む)を描く」という行為、
絵を描く人を見るのが好き、人じゃなくて絵が好き、絵が好きなのは人が好き、など
絵にかかわる数多くの関わり方がさりげに丁寧に提出され
うーん、と何度も読み返している。

読書に慣れていない生徒や、自分はこれしか読まん、と無意識に決めている読者には
題名や表紙のイメージは重要だ。そして本を紹介する仕方も。
来年度はぜひ小さくてもいいから読書会をやってみたい(高校で)。
そして食わず嫌いを控えて、面白いといわれた本は
片っ端から読んでみたいな、とは日々思っているのです。
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by iwashido | 2014-03-30 14:17 | 読書日記 | Comments(0)

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