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古本LOGOS 「彼岸の古本屋」ときどき日記。

ある土曜日の出来事。

この前の土曜日、金沢の表参道商店街(通り)?のイベントに
一日だけ出店させてもらいました。金沢で一箱古本市をしかけておいでる、あうん堂さんたちの
「おでかけ本隊」のお仲間にいれてもらいいました。
この横っちょぽけまーとは、手作り雑貨がメインの、その中に飲食あり、体験教室あり、古本隊ありの
なかなかバラエティに富んだ、ゆるやかなイベントのようです。
本を目当てにがっつり人が来る、というのではありませんが、お子さんづれや老夫婦、自然派ライフを楽しむ家族、ふつうのカップル、などなどいろんな方たちが古本テントの前を通り過ぎ、本を手に取り、お買い上げいただきました。

そのなかで、ちょっとだけ気になる場面がありました。2、3組の親子づれでこのイベントに訪れたような母と子ども(小学生)。午前中に一度立ち寄り、閉店間際にまた立ち寄ってくれました。
私が出店していた本ではなかったけれど、ブースを分け合ったあうん堂さんが、小学生向けの読み物や図鑑などを並べた箱から本を手に取り、子どもは図鑑が欲しかったようなのですが(古本なのでせいぜいが300~500円、100円の本もあり)、お母さんなかなか「買う」とは言いません。
あげくには「○○ちゃん、この図鑑、すこし古いのだよ。図鑑はやっぱり最新のがいいから、図書館で借りてもいいし、ここで無理に買わなくても。」
私は内心「え~!」って思ってしまいました。
そのお母さん、とてもおしゃれで、金銭的に苦しそう(?)という雰囲気はみじんもなく、決して教育に理解がないタイプには見えません。その子は、できればここで何か1冊本が欲しい、読みたい、買ってほしいオーラありありで、「買う、買って、読みたい」というようなことを連発しているのですが、なまじ教育熱心なだけに
「古い図鑑を買う」のはいくら安い値段でも得策ではない、と考えているようでした。

最終的には、その子が欲しがっていたうちの1冊である、マンガ物知り百科、みたいなソフトカバー本を100円で1冊かってもらいましたが、その時の子どもの嬉しそうなこと! お母さんから100円もらって、じぶんであうん堂さんにお金を渡して本を受け取っていました。

図書館で本をかりることを否定するわけではありませんが、図書館の本はしょせん借り物、
見えない鎖につながれた公共の本です。時期が来たら返さなければいけません。
まあ最新の図鑑がいいのはもっともではありますが、多少古くても、図鑑とはこういうもの
であると体験したり、基本的な物事を学んだり知識をえるには役にたつこともあります。
世の中の保護者さんたち、ぜひ本を買うお金を必要以上に縮小させずに、
ある程度の無駄も覚悟で、身銭を切って本を買うことの大切さも教えてほしいものだと、
思ってしまったのでした。
(身銭をきって本を買いすぎてきた体験より。)
by iwashido | 2014-05-18 22:59 | 朔のつぶやき | Comments(0)

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