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古本LOGOS 「彼岸の古本屋」ときどき日記。

自分の仕事をつくり、ひとの居場所をつくる

「・・それは専門家にしても同じなんです。フリーハンドで、つまり枠組みそのものを再設定しながらビジョンを描くというか、プランニング出来る存在が、日本にはほとんどいない。
 そのためのステージが存在しないんですよ。
 「計画 → 即事業 → 即設計」という感じで施工まで一気に進んでしまう。
 たとえば公共事業にしても、地元に予算が落ちるようにとか建設業の仕事を増やしたいとか、そういう動機で先に決まってしまっていて、「これ本当に必要なの?」と思っても、そこを否定した途端プロジェクトが丸ごとなくなってしまうような。
 「本当にこれをつくっていいんだろうか?」とか、
 「これをするならどうやるべきか?」というところを自由に考えて仕切れるプランナーが育っていないし機会もない。だからなにも生みだされてこない。
 結果として、そのときどきの掛け声やスローガンはあっても、長期的なビジョンが生まれないんです。
 でもそれを持ち合わせていないと、個々の問題や事情ばかりが浮き上がってしまう。」

 ~『ひとの居場所をつくる ランドスケープ・デザイナー田瀬理夫さんの話をつうじて』西村佳哲著/筑摩書房より ”ビジョンに根拠は要らない”p102~103 の一節を転記。

 西村佳哲氏は彼が『自分の仕事をつくる』という本を筑摩書房から出版したころから注目していた。
 彼の問いの立て方が自分の問題意識に近いように感じたからだ。一度お手紙を出してリビングワールドのポストカードか何かを購入したこともある。デザインにとどまらず、働き方・生き方を研究しデザインするという発想が新鮮だった。

その後も彼は何冊か著作を出し、各地でワークショップや講演なども重ね、変わらず「つくる」「書く」「教える」仕事に携わっているようだ。そして私は最近この本(『ひとの居場所をつくる』)を見つけました。

考えていることはいろいろあって、そのときどきでつぶやいたりさけんだりしながら、いくつかのことはつぶやきが現実になり、何も進化していないわけではない。でも、根本的なところで、根源的に、議論したりはなしあったりということが出来にくい状況ではある。問いの立て方が悪いのか、進め方、誘導の仕方が未熟なのか、話してすっきりしたということはあるが、じゃあどうしたら、というところにまで遡っていけない。べつにそれで日常が困るというわけではないが、何か新しい動きが出る時に、もっと適切なサポートができるようになれていない。

なんというか、答えが見えてきそうで、でも陽炎のように消えていく。
「仕事」というより「仕組み」というか生き方というかライフスタイル。
お金を生み出すのもそうだけど、つながりをつくるとか問題解決の方法を知るとかそういうこと。

私は思い上がっていたのだろうか。
もっと謙虚に何事からも学べる人になりたい。
by iwashido | 2014-09-20 11:35 | 朔のつぶやき | Comments(0)

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