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LOGOSさんの月に1,2回古書店

本は、靴になれるか?

夜中に地震があった。
グラッときて目が覚めた。あ、自分裸足ですけど、逃げられるか?
まずそう思った。
結局、思ったほどの震度ではなく(幸いにして)、津波もなくまた日常に埋没しているが、
あの瞬間に思ったことと、本を強引に結び付けてみる。

プリーモ・レーヴィ『溺れるものと救われるもの』(朝日文庫)が文庫かされたので
読んでいた。旦那が貸して、というので貸してあげた。

彼が好きな文章は以下のところだという。。。
(上掲書146ページより)
「・・・人は服や靴をはぎとられると、神経や腱が切られたような気になる。
そして無防備な餌食になってしまう。服は配給された不潔なものでも、
靴が木底の靴であっても、取るに足らない防御であるが、欠かすことはできない。
それを持っていないものは、もはや自分自身を人間とは感じられず、
みみずのように思ってしまう。
裸で、のろのろしていて、下賤で、地面をはい回っている存在と思ってしまう。・・・」

そう、靴は大事。裸足で、夜の道を避難所まで逃げる自分を想像してごらんなさいな。
すごく、不安でしょうがない。痛いし寒いし辛いよーって叫んでしまいそう。

私たちは弱いから、大自然に対して無力だから、
服や、靴や、文化や、組織や、知恵で対抗してきた。
武器として使えるように、言葉を我が物にし、取りこんで何度も忘れながら覚えて
技術や文化を洗練させてきたのではないか。

靴や、服は、具体的だから、枕元に置いておける。
だけど、本は。本の中の知識(言葉)は。枕元に畳んでおけるか。
いざというとき、ひっつかんで逃げる靴のような本は、ありますか。
(ありすぎて、積んで置いたら、地震の時は怖いよね・・・)
もしくは、もう覚えるまで死ぬほど読んだから、という魂の下支えになる
本は、ありますか。

何もかもが借り物。
人の受け売り。コピー&ペースト。
私にとって、靴のような本は、なんだろう。
それがあれば、この難局を乗り越えていける、と思えるような本は。
果たしてあるのか。それを時々紹介していけたら、いいですね。

今日の一冊・・・
『溺れるものと救われるもの』プリーモ・レーヴィ 竹山博英訳 朝日文庫(2019年11月文庫化)

by iwashido | 2020-03-16 12:16 | 読書日記 | Comments(0)

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