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古本LOGOS 「彼岸の古本屋」ときどき日記。

築紫哲也も橋本治もいない世界で。

3月某日  運転免許証の書き換え(更新講習)に行く。誕生日の1カ月前から案内来る。
      なんと、今回は人生初「ゴールド免許」ではありませんか!!
      そういえば、一時停止違反やスピード違反この5年間はなかったかも。
      遠出はけっこうしてるけど(金沢レベル)。行って帰って300キロ。米国人には
      常識なのかもしれない。

      帰りに、ひさびさにかほくイオンに立ち寄る。行く場所は、もちろん書店。
      文具やコミックの売り場面積が増えてますねー。本の場所は縮小気味。
      『推し、燃ゆ』山積み(今更・・)。『かか』のほうが、面白かったかな。
      探している新書があったので探すけどその本はなかったけど、河出新書に
      橋本治の遺稿的な新書が2冊あって、1冊は高橋源一郎の推薦(冒頭文)、
      もう1冊は内田樹の推薦文の『「原っぱ」という広場がほしい』こっち買う。
      この本には、「群像」という雑誌に掲載された、本当に最後の、
      未完の橋本治の文章が収録されていて、明らかな誤字脱字以外は直していない
      という注釈が奥付に記されている。
       
      橋本治は、文壇の中でも、村上春樹とはまた違った意味で異端であった。
      ものすごい量の文章を書いた、だけど誰もその正当性? 本質を理解しないまま
      なんかちょっと変な言葉で変なこと書いてる人、いつまでも半ズボン気分な人、
      群れない人、独自な人であり続けた。私は最後の小説『黄金夜界』は毎日新聞
      の連載で全部読んだけど、これはすごい、、尾崎紅葉の「金色夜叉」現代版。
      『窯変源氏物語』の系譜につながるものでしょう。

      ネットの世界に最近ついて行けないなー、って思うことが多々で、
      TWもLINEもスマホも持っていない変わりモノで、唯一ブログとFBは
      垢持ちだけど、FBなんだかな―最近、って思うこと多くて。
      なんか、変数変えたでしょ、だから寄ってくる情報がすごく狭められて。 
      気持ち悪いくらいの自己自慢にしか、見えない、メンタル荒れてるから。
      ここで上塗りして自分の投稿をすることが、憚られる。結局は自慢じゃん?
      ウケるか、ウケないか。「いいね」をしてもらえるかどうか、そういうノリ
      であってそこに熟慮はない。「良し悪し」すらない。「好きか嫌いか」、
      って橋本氏は書くけど、好き嫌いですらないんじゃないか。なんとなく、
      一瞬の、すれ違った時の香りというか印象のみ。
      ネットのアクセスランキングは「何がどれだけの人に選ばれたか(アクセス
      (≒閲覧?)されたか」であって、その順位に「何が良いか」という物差し
      はない。既に「良し悪し」という座標軸はこの世界から崩壊しつつある。
    何が良いかといえば「多くの人に指示された=良い」・・これで本当にいいのか?

    そんなこといえば、第一ラジオ7時半過ぎの「本日のニュースランキング」、
    これを聞いていると本当に腹が立ってきて、「今日一番アクセスされたニュース
    を5位から1位まで紹介」してくれるわけなんですが、そこに「評論」の視座はない。
    「都内のコロナの新規感染者人数前日を更新」とか、「なんちゃらというグループ
    が解散する」とか、「パンダが発情期に入った」とか、そりゃーそういう
    わかりやすい・いいね!っていいやすい・心温まるもしくは共通敵にしちゃえる
    情報は、アクセスしますよ。頭使わなくていいもん。ぼーっと見るだけなら。
  
    なぜ「人気があるからいいじゃん」になるかといえば、それは「これがいい」と
    ネットにアクセスした結果が膨大なデータとして残るからだ、と橋本氏は書く。
    それは「ひとは何を良しとするか」ではなく「何を好むか」=「何をすれば
    人は納得するか、なにが売れ筋か」にたどり着き、結局は「商売(ビジネス)」
    が隠されている(と橋本氏は分析している)。

    「そのことを踏まえて「多くの人が好むもの」を提供して行けば、批判されること
    のない「好ましいもの」ばかりになる。逆に「金になりそうな消化のいいもの」
    だけが残って「呑み込みにくくて苦い批評性のあるもの」の存在余地は少なく
    なって行く。つまり「経済的に成り立ちにくいからきえていくしかない」に
    なってしまう。・・」(『「原っぱ」という社会が欲しい』橋本治/河出新書/   
    第1章 近未来としての「平成」、79Pより引用)
   
    私は「呑み込みにくくて苦い批評性のあるもの」が読みたい。
    そんな誰が読んでもすぐわかって「感動した」とか「泣けた」とか言われても
    信じられない。経済ってなんですか? おおきなブルトーザ―みたいなもの?
    ものすごい嵐がくるよ。嵐が来るまでに、飛ばされないような太い幹を育てて。
    自分の中にね。

by iwashido | 2021-03-19 09:25 | Comments(0)

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