2021年 06月 07日
深夜まで読書!
6月某日 いやー、ひさびさに夜更かししてしまった!
いつもは日付が変わる前に眠ってしまうし、本を読んでいても
電気つけたまま寝てしまうし、それなのに、読みだしたら止まらない本が!
『鶴見俊輔伝』新潮社/黒川創・著。いやーこれは、面白い!
鶴見氏に、存命中お会いしたことはない、でも会おうと思えば会える環境にいた
のだった、彼がかかわっていた本を出す出版社に数年勤務していたのだから。
でもその当時私は、やる気のない営業部員だったし、網野善彦氏に会えるチャンス
(講演会や勉強会)、リブロの今泉氏に会えるチャンスだって振り切って
なんだかあくせくしていた。ぜんぜん余裕なんてなかった。溺れそうだった。
今も溺れそうなんだけど、この本は、それまでばらばらにつながっていた鶴見像を
一本につないでくれた。例えば、当時勤務していた出版社で出していた
『鶴見俊輔選集』だったか、存命中にだすから全集じゃなくてセレクションみたいな
本があって、全部買えば良かったのにお金ないから、1冊だけ社割で買ったのが
帯に「もろい部分に立て」とあった、「私の地平線の上に」、、だったかな?
「思想の科学」もちゃんと読んだこともないくせに、なんだか変に崇拝してた。
いろいろ問題もあっただろう、スキャンダルも、事件も、だけど、鶴見氏自身は
まったくぶれていない。有名政治家の息子だとか、孫だとか言われることを何より
嫌い、最期まで日本とアメリカのはざまで、すさまじいまでの葛藤のもとに青年期
を過ごし、戦時中はアメリカより日本(軍)の中に敵を見出し、戦後は、アメリカ
よりも日本の知のあり方を、右とか左とかそういうとこを突き抜けたところで
自由に論議し、出版できる方策を探して、彼なりの筋を通して生きた。
今のこの、コロナ×オリンピック騒動を見たら、彼なら何と言っただろう。
彼「ら」、なら。今はもうない、日本人としてまっとうな知性の持ち主なら。
私は彼らの遺鉢を継ぎたい、微かで不可能な軌跡だとしても。。。
by iwashido
| 2021-06-07 09:55
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