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古本LOGOSの 月1,2回古書店。

深夜まで読書!

6月某日 いやー、ひさびさに夜更かししてしまった!
いつもは日付が変わる前に眠ってしまうし、本を読んでいても
     電気つけたまま寝てしまうし、それなのに、読みだしたら止まらない本が! 
     『鶴見俊輔伝』新潮社/黒川創・著。いやーこれは、面白い!

     鶴見氏に、存命中お会いしたことはない、でも会おうと思えば会える環境にいた
     のだった、彼がかかわっていた本を出す出版社に数年勤務していたのだから。
     でもその当時私は、やる気のない営業部員だったし、網野善彦氏に会えるチャンス
     (講演会や勉強会)、リブロの今泉氏に会えるチャンスだって振り切って
     なんだかあくせくしていた。ぜんぜん余裕なんてなかった。溺れそうだった。
     今も溺れそうなんだけど、この本は、それまでばらばらにつながっていた鶴見像を
     一本につないでくれた。例えば、当時勤務していた出版社で出していた
    『鶴見俊輔選集』だったか、存命中にだすから全集じゃなくてセレクションみたいな
    本があって、全部買えば良かったのにお金ないから、1冊だけ社割で買ったのが
    帯に「もろい部分に立て」とあった、「私の地平線の上に」、、だったかな?   
    「思想の科学」もちゃんと読んだこともないくせに、なんだか変に崇拝してた。
    いろいろ問題もあっただろう、スキャンダルも、事件も、だけど、鶴見氏自身は
    まったくぶれていない。有名政治家の息子だとか、孫だとか言われることを何より
    嫌い、最期まで日本とアメリカのはざまで、すさまじいまでの葛藤のもとに青年期
    を過ごし、戦時中はアメリカより日本(軍)の中に敵を見出し、戦後は、アメリカ
    よりも日本の知のあり方を、右とか左とかそういうとこを突き抜けたところで
    自由に論議し、出版できる方策を探して、彼なりの筋を通して生きた。

    今のこの、コロナ×オリンピック騒動を見たら、彼なら何と言っただろう。
    彼「ら」、なら。今はもうない、日本人としてまっとうな知性の持ち主なら。
    私は彼らの遺鉢を継ぎたい、微かで不可能な軌跡だとしても。。。


by iwashido | 2021-06-07 09:55 | Comments(0)

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