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古本LOGOS 「彼岸の古本屋」ときどき日記。

昨日なに読んだ? (もしくはなにを見た?)

6月某日  GEOのネットレンタルでたまにDVDを借りる。   
      主には家人、昔のアニメとか、見逃した古い映画とか、
      ほら、NETFRIXとかそういうのについていけない旧世代なんで。
      そうそう、先日なんて、軽トラに、「カセットテープ対応ラジオ」
      チューナーを設定してもらってご満悦なこの頃。
      (今、カセットテープは再ブームらしいですけど。。)

      私はそれに乗っかって、シネモンドで見逃した映画を旧作や、
      準新作で、借りる。「マイ ブックショップ」や「新聞記者」は
      それで見た。この前見たのは「サーミの血」である。
      FBで間違ってか意図的にか「いいね」をすると、繰り返し
      似たような情報が押し寄せて、いい時もあるけど、閉じた円周を
      ぐるぐる周回させられているようで、息苦しくなるので、最近は
      アクセス頻度を落としている。反応も最小限。そうすると
      こっちの情報も飛ばないし、やってくるのも同じ人のことだけ。
      まあ、誰もが友だち、って観念について行けない部類なので、
      向いてないんだわ。友だち、たくさんいりません。露出も苦手。
      
      それで、「サーミの血」なんだけど。見て良かった。
      舞台は北欧、ラップランドと呼ばれる、大島弓子が「いちご物語」
      でメルヘンで描いた世界を、リアルで、でもちょっと空想のリンク
      が必要な回想方式で映画は始まる。
      戦前の話。サーミ、と呼ばれるトナカイと遊牧しながら暮らす
      集団の子どもは、寄宿舎に入れられる。そこでスエーデン語の
      教育を受ける。しかし、近隣住民からは「ほら、あいつら」の様な
      侮蔑的な眼差しを受けるし、近所の若者も、差別感を隠さない。
      姉妹でその学校に入れられた主人公は、スエーデン語への理解、
      文学や詩への興味関心の高さから、女教師の自宅で紅茶を飲ませて
      もらったり、洗濯干しの手伝いなども任される。そんな折、
      先生のワンピースを着て、洗濯場に隠れていると(屋外です)、
      通りがかった若い将校に「ダンスパーティがあるよ、行かない?」
      と自転車で通っていく彼らに声をかけられ、好奇心が勝って
      出かけて行ってしまう。それからはGirl Meets Boy,の世界。

      ナチスドイツのしたこと(ユダヤ人強制収容)は悪い、というし
      許されないことだが、どの民族・人種でも、人は「優劣」の観念から
      逃れられないものらしい。周縁に住む・第一次産業に近い暮らし・
      血を見る暮らし(動物を殺して食べる)は、忌避される。
      金髪碧眼でスタイルの良い生粋の北欧人と、モンゴロイドに近い
      どちらかといえばずんぐりした体形で黒い髪のサーミは、アイヌや
      日本人に近いように見えた。主人公が取ったような行動を、
      私もしたことがある。現状から逃げるには多少手荒な行動が必要
      な場合もある。いいか悪いか、ではなく、そうするしかなかった。
      「文化人類学」とはある意味残酷な学問だ。
      でも、残酷でない学問がどこにある? 突き詰めれば真実は残酷
      な眼差しを要する。真実は人の数だけあるんですよ、と
      ある漫画で、ボッチの主人公がいろいろ考えるシーンが人を救う
      ことにつながる『ミステリーというなかれ』を思い出した。
      彼ならこの映画のミッシングリンク(思い出された過去と、現在
      のありようの間に起ったこと)をどう分析する?
      それはもう、文学でしか描けないことなのかもしれない。



by iwashido | 2021-06-11 10:24 | 映画とかビデオとか。 | Comments(0)

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