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古本LOGOSの 月1,2回古書店。

数とは何か、そして言語とは?

3月某日  前から気になっていたコミック『数字であそぼ」の第1巻を入手。
      月刊雑誌で立ち読みしているものの一つであるが、
      最初がよくわからなかったのでもやもやしていた。
      運よく立ち寄った書店で見つけてしまい購入。

      主人公は、暗記力だけで小中高の勉強を乗り切ってきた秀才君。
      地元(奈良県の某所)では「我が校始まって以来の天才」と
      称され、ノーベル賞目指して「吉田大学理学部(京大と思われ)」
      へ進学。一般教養の2限目の授業が「微積議論」だったか、
      とにかく数学系の科目で、主人公は一度見た文字を暗記する能力
      には優れ、「どんな難しい問題が出るのか」わくわくして待つ。
      そこに現れた教授が「それではまず、数字を作ってみましょう」
      と言って、数を定義する。自然数、有理数、無理数。。。など。
      そして「切断」という概念を説明するのだが主人公は板書は
      一度みたらすぐ描き写せるが、内容は理解できない。
      そして、前にいた女子が、書いた紙をぐしゃぐしゃにしているのを見て
      「ここにもわからない人がいた」と安心するのだが、彼女は
      「あー、もやもやしていたのがよくわかった! 大学の数学は
       こんなに丁寧でよかった(理解できた)」的な発言をする。
      そして「本当に理解できたの? これでどうやって問題を解くの?」
      と尋ねるが、「数学で必要なのは考えることでしょ?
      定理も公式も考えれば作れる。重要なのは問題を解くことじゃない」
      と宣う。そして人生初めての挫折を味わい、(今まで問題が解けな
      かったことは、きっとなかったのだろう)2年間休学する。。。
      という始まり方なのだった。
       
      大学あるある、かもしれない。
      狭い世界でチヤホヤされ、その地域では一番、秀才でも、
      広い世界に出て挫折を知ることは重要。
      今既に、皆自分にとって心地よい情報に囲まれて暮らせるし、
      フォロワーだかファンだか知らないけど、いいことしか
      言わない人としか交流しないで、何かいえば炎上するような
      言論環境で、まともな議論も論調もうまれずらい。
      言葉が、通じない時代。自戒をこめていってる。
      学問ですらビジネスの対象だ。
      もっと自分で考えよう。必要なのは答えじゃない、
      問いを作ることだ。良い問いを立てれば、答えは自ずと出てくる。
      今回のウクライナ侵攻で、グローバル経済の脆さが奇しくも露呈した。       原油価格はまだまだ上昇するだろう、小麦価格も、
     ロシアの上空を飛ぶ飛行機は撃墜されるかもしれない、そういう
     可能性がゼロではなくなった。
 
     恐ろしいと思う、戦争は良くないと思う、でも無抵抗が死に直結する
     時、無抵抗でいられるのか? 兄弟喧嘩でも始まったら必死だ。
     沖縄が独立して、そこに日本が侵攻するような構図を想像すれば
     近いのかなぁ。。。(独立されたら困る要因があるから?)。
     ただし海によって隔てられてはいない、地続きの地域で。
     
     わたしは数学のことはもはやよくわからないけど、
     どちらかといえば漫画の主人公のように、答えから問題を解いていた
     狡賢さだけで高校までの勉強を乗り切ったから、今も含めて苦労している。
     方法、わからない。手順、考えない。行き当たりばったり。
     進んだら、止まれない。サヨリのように真っ直ぐしか進めない。
     最近やっと、方法とか手順とか段取りの重要さに気づいて
     今までの力任せの人生から少し舵を切ろうとしている。
      
     言葉すらフィクションかもしれないけど、その言葉によって
     私たちはかろうじて世界を形成し、保ちつつ生きながらえている。
     自分の言葉を信じ、信じられる他者を作り、世界を渡っていこう。
     まずは自分を信じることから。孤独を乗り越えて進んでいくのだ。
      

by iwashido | 2022-03-09 20:35 | 読書日記 | Comments(0)

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