2024年 02月 26日
寿司食えば 元気出るなり 氷見の海。
2月某日 晴れ
リフレッシュにまた氷見まで出向く。今度はダンナも連れて、総湯いこう、お寿司食べよう! と誘う。ほら、運転はわたしがするから昼飲みもオッケーだよ、ということばに渋々同意。金沢行くほど疲れない、七尾より空気感がいい、海に向かってひらけた町。
総湯で小一時間、12時少し前には寿司屋へ、この前より駐車場の混み具合も少なく空いている感じ。待ち時間なしで一番奥のテーブル席に案内される、ラッキー
わたしはスタンダートに、サーモン、マグロ、ネギトロ、アジとノンアルコールビール。やっぱ連れがいると気を使ってしまって思う存分好きなものを頼めない(タッチパネルだから、たのめばいいのだけど。。)。今度はまた一人で来よう、と決意。
荒汁に一品モノで締めて、会計してもちょうど良いお値段。昼から寿司屋で酒飲む、なんてもう被災者じゃないな。そろそろ避難所通いも卒業しよう、コメはあるし、野菜あるしもらうし、とうとうコンビニも再開した(時短営業だけど)。復興ってなんだろう、家を失った人の哀しみや辛さがわからないように、一年程前に起こったトルコシリア地震のことなんか全く忘れているように、私たちは自分の目の前にあること、自分の楽しみや快楽にしか興味ないのかも。だから能登地震のことだって忘れられて当然なのだ、当事者じゃない人にとっては所詮他人事。だから、当事者研究としてこのレポート(日記)は今後もつづくだろう。
その後、総湯で見かけた「氷見昭和館」に行きたい、と連れがいうので売店の案内所のお姉様に地図で行き方を教えてもらう。基本的に商店街通りを南に真っ直ぐいく。ちょっと迷いかけたが、十字路に看板が出ていたのでなんとか辿り着く。駐車場も完備。な、なんだ、これは! ボンカレーやオロナミンCのブリキ看板から、映画のポスター。機関車トーマスとアンパンマンがお出迎え。中に入ると、入場料の徴収、そりゃそうですよね、ボランティアでも公共施設(図書館的な)でもないのだから。
ダンナとこの昭和館の主人は、お話しがあうようで、いろいろ語りあっている。その隙に扉を開けると、そこには昭和のシングルレコードが壁面展示。そして下にはジュークボックス。へえ、珠洲から来たの、というとサービスに一曲かけてあげましょう、本当は100円なんだけどね、、と「木綿のハンカチーフ」をサービスしてもらう。へえ、ー音がいいですね! やっぱ手入れしてるんですか、そりゃそうよ、オレ昭和大好きだしさ、ここで死んでも構わないもん。。。。というほどたしかにその建物内には昭和グッズが溢れていた。
ブリキ看板はいうにおよばず、むかしの文房具屋(閉店した店の在庫を買い取ったという)、ジャングル大帝やひょっこりひょうたん島のプラモデル、マガジンやプレイボーイなどの雑誌、古いジャンクカメラ、コカコーラの木の空き箱に中身入りコーラ、薬屋グッズに、ちゃぶ台や昭和のテレビetc.etc.…たくさんのプラモデルのとなには、ダットサンにペスパまで! あの、失礼ですが、古物商なんですか、わたしら古本屋なんですけどね、いやいや、俺はただの物好き。だいたいオークションとかで落とした。買い取りはしてないけど、もらってくれといわれたり、知り合いが店閉めるって聞けば相談して処分に協力する。それってもう古道具屋の範疇じゃないかなーと思ったけど黙っておく。
最初は昭和の喫茶店的なノリだったんだけどいろいろ増えちゃってね。赤い丸ポストがあったので、これはどうしたんですか、(郵便局から)もらえるものなの? と聞くと、それはないよ、オークションだよ、でも送料で三万くらいかかったかな、と聞いて絶句。下手な古本屋より本気度がハンパない。こういうお店があるくらいなんだから、珠洲に誰も来ない古本屋があってもいいのかもしれない。次のお客様が来たようなので我々は退散…。
今、珠洲の被災現場を丹念に探せば、昭和館くらい簡単に再現できるかも。いや、この際再現すべきは明治、もしくは江戸末期かもしれない。明治維新のツケをここで支払ってやる。近代化は本当に正しかったのか。何処かで曲がる角を間違えたのではないか。昭和館で昭和グッズに埋もれて死んでもいい、といった彼の気持ちと、わたしは意外と近い場所にいるのかもしれない。
by iwashido
| 2024-02-26 23:23
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