ある日の出来事。七夕の前に。。。

７月某日　　死ぬほど暑い。いや、訂正する。死にたくなりそうなくらい暑い。

　　わたしは暑いのが苦手なのだ。そんなこんなで今日は涼しい場所に逃避、いや仕事をしに通っている。自宅はダメだよ。昨日なんか、アリが来た。ビワなんぞを寝る部屋に持っていったわたしが悪いのだけど。

　そうそう、ある日のできごとである。その日わたしは金沢での用事を済ませ、子どもや家族たちへの買い物も済ませて、ひたすら珠洲への道を走っていた。夕方が近づきつつあった。ご飯の支度、犬の散歩、シャワーも浴びたい、本も片付けたい、時間が一秒でも惜しい、いつものド焦りモードである。信号が青から黄色へと変わり、そしてまた赤へと変化しつつある交差点。金沢でなら当たり前のように突っ込むひともいる。もちろんそうでない人のほうが多い。赤信号は、止まれ、の合図なのだから。

　ここんとこやさぐれている精神は、理性の抑止がきかない。いけるでしょ、行くしかないよね、大丈夫、いつもクリアしてるじゃん、そう思ってしまったわたしは某交差点の赤信号でアクセルを踏んだ、少なくともブレーキは踏まなかった。

　そしたら。なんと、交差する交差点の赤から青に変わった側の道路に、パトカー様が停止しておられたのであった。すぐさまサイレンが鳴り出す。これはもう、逃げも隠れも出来ない。わたしはあきらめて、そうそうに車を左端に寄せた。前の車、止まりなさい、とか拡声器で言われる前に、潔く、過ちを認めた。

　あー、これでゴールド免許はパァだなぁ。。。でもまあ、最近夫にも怒られてばかりだしなぁ、、、事故を起こす前に捕まえてもらって良かったのかも、、ともうパトカーの方が降りてくる前に全面降伏。はいはい、免許証持って、パトカーに移ってくださいね。いわれるがまま、なすがまま。こういうことってあるんだね。。。

　赤信号無視ですね、夕方で焦っていたのですか、という質問には「金沢からの帰りで、、なんかもう、地震からずっと行ったりきたりで疲れちゃって、、もう何もかもぐちゃぐちゃなんです、整理も出来ないし、わたしなんて運転しない方がいい、って言われるくらいだから。。。青切符って何点マイナスでしたっけ？」と好きなことをしゃべる。こちら（珠洲、もしくは奥能登）管内の方ではないらしく、交差点の住所を本部に確認していた。同情はしてもらったが、取り消しはなかった。

　この前見たアメリカ映画で、教会の尼さん（私服）がスピード違反してパトカーに停められるのだが、免許証を見せて「尼さんか、、、。この前、国税官を捕まえたら監査が入っちまった。。。今回は見逃してやるが、つぎはないぜ」みたいな展開にはならなかった。しょぼい古本屋では、ローンも組めないそうである。在職中にクレジットカードは作っておいて良かったよ。いや、あれも失業中じゃなかったかしら。。。

　精神的に失業している。実際にはすることは山ほどある。でも、どうにも本気モードになれず、クラゲのように毎日漂うばかりである。