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LOGOSさんの月に1,2回古書店

大島弓子が小説を書いたような・・・

 『三年身籠る』(唯野未歩子・マガジンハウス)を読む。妊娠がテーマの小説は数多あれど、これはちょっと凄い。妊娠期間3年という設定はフィクションという世界を思い切り使った自由なイマジネーションにあふれている。女優でもある作者は、この作品を映画化し、監督もつとめている。本谷有希子しかり、舞台や映画の世界の才能に侵食されつつある文学界なのかな?

 それはともかく、赤ん坊をできるだけ自然に産みたい、予定日が来たからといって帝王切開などしたくない、と思うのはありがちで、現実の世界では自然分娩とか助産院とかそういう施設にすり寄って行くことになるけれど、この小説世界では赤ん坊はそのまま母体の中で成長し、外の世界(主に母親)とのコミュニケーションも始まっている。こんなことありえない、と切って捨てることは簡単だが、そうさせない登場人物の造詣のうまさは役者ならではのリアリティだろうか。伏線として全編をつらぬく姉と妹の葛藤はクライマックスである事件を引き起こすに至り、ラストまで気が抜けない。

 緑子(妹)は「私は子どもは産まない」と決意するけれども、姉から生まれてきた子どもに彼女が贈る言葉は大島弓子の「バナナブレッドのプディング」を連想させるよう。WOWWOWでやっている映画もちょっと見てみたいなと思いました。
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Commented by ミヤチ at 2007-05-30 16:13 x
タイトルは目にしていたけれど、ほんとにそんな物語なんだ!
面白そう。読んでみます。
わたしが最近買った本は『毎日つかう漆のうつわ』です。
輪島で漆の塗師をしている赤木明登さんとスタイリストの高橋みどりさんの対談です。
輪島に行きたくなりました。
Commented by いわし猫 at 2007-06-04 06:09 x
『三年身籠る』、ラストの情景が「バナプディ」と重なったというだけで、
大島弓子より歯切れはいいかも・・・イメージ違ってたらゴメンです。

『踏切趣味』と『夏の力道山』を図書館にリクエストして読みました。
即購入には結びつかなかったけど、楽しみな書き手として育っていく予感を感じさせますよね・・・。

輪島塗のうつわは、やっぱいいかも、です。義父母が旅行先(関東近県)で買ってきた1個300円という塗りのおわんは、毎日使っていたらすぐにはげてみるも無残な姿になってしまいましたが、ちゃんとした業者から購入した輪島塗のおわんは、私の配慮のない毎日の家事にも耐えて、今でもツルツルです・・。この違いは何なんでしょうね! ぜひ遊びに来てね♪
by iwashido | 2007-05-28 09:01 | 読書日記 | Comments(2)

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