人気ブログランキング |
ブログトップ

LOGOSさんの月に1,2回古書店

2020年 03月 16日 ( 1 )

本は、靴になれるか?

夜中に地震があった。
グラッときて目が覚めた。あ、自分裸足ですけど、逃げられるか?
まずそう思った。
結局、思ったほどの震度ではなく(幸いにして)、津波もなくまた日常に埋没しているが、
あの瞬間に思ったことと、本を強引に結び付けてみる。

プリーモ・レーヴィ『溺れるものと救われるもの』(朝日文庫)が文庫かされたので
読んでいた。旦那が貸して、というので貸してあげた。

彼が好きな文章は以下のところだという。。。
(上掲書146ページより)
「・・・人は服や靴をはぎとられると、神経や腱が切られたような気になる。
そして無防備な餌食になってしまう。服は配給された不潔なものでも、
靴が木底の靴であっても、取るに足らない防御であるが、欠かすことはできない。
それを持っていないものは、もはや自分自身を人間とは感じられず、
みみずのように思ってしまう。
裸で、のろのろしていて、下賤で、地面をはい回っている存在と思ってしまう。・・・」

そう、靴は大事。裸足で、夜の道を避難所まで逃げる自分を想像してごらんなさいな。
すごく、不安でしょうがない。痛いし寒いし辛いよーって叫んでしまいそう。

私たちは弱いから、大自然に対して無力だから、
服や、靴や、文化や、組織や、知恵で対抗してきた。
武器として使えるように、言葉を我が物にし、取りこんで何度も忘れながら覚えて
技術や文化を洗練させてきたのではないか。

靴や、服は、具体的だから、枕元に置いておける。
だけど、本は。本の中の知識(言葉)は。枕元に畳んでおけるか。
いざというとき、ひっつかんで逃げる靴のような本は、ありますか。
(ありすぎて、積んで置いたら、地震の時は怖いよね・・・)
もしくは、もう覚えるまで死ぬほど読んだから、という魂の下支えになる
本は、ありますか。

何もかもが借り物。
人の受け売り。コピー&ペースト。
私にとって、靴のような本は、なんだろう。
それがあれば、この難局を乗り越えていける、と思えるような本は。
果たしてあるのか。それを時々紹介していけたら、いいですね。

今日の一冊・・・
『溺れるものと救われるもの』プリーモ・レーヴィ 竹山博英訳 朝日文庫(2019年11月文庫化)

by iwashido | 2020-03-16 12:16 | 読書日記 | Comments(0)

Ms.LOGOS's once or twice a month Used Book Store