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LOGOSさんの月に1,2回古書店

カテゴリ:読書日記( 72 )

沈黙≒連結

久々に読書日記。
いろいろ読んではいるのだけれど、
あえて感想をここに書き込めるのは限られる。
ヒットしない本もあれば、ヒットしすぎて感想を書けない本もある。

『13歳の沈黙』(カニグズバーグ作品集9・岩波書店)を読む。
以前から何度も借りてきて(タイトルにひかれる)、
それでも読めなくて返却し続けてきた本の一冊。

ニューヨーク近郊の中流階級の子どもを描いたら
ピカイチの、カニグズバーグの作品たち。
12歳ではなく「13歳」を題材にしたところが新しい1歩、と解説は言う。
私が感動してしまったのは、
以前このブログにも書いた、左目のまばたきだけで本を一冊書き上げた
人の実話「潜水服は蝶の夢を見る」の本のことが、出てきたことだ。。。
(5月のブログにあります)
『13歳の沈黙』の中ではその本は『飛びこむ鈴と蝶々』になっているけど。
フランス語の原題がわからないので、なんともいえませんが、
「跳びこむ」≒「潜水」って感じでしょうか??

とにかく。
ある事件の現場にいた、言葉を失ってしまった(癇黙状態にある)13歳の少年、
ブランウェル(通称ブラン)と、その親友コナー。
沈黙したまま、事件の重要参考人として保護施設にとどめ置かれるブランのために、
コナーはいろいろ考える。
弁護士ではなく、友人として。
その過程で『飛びこむ鈴と蝶々』の本が出てくる。

コナーのお母さんがあるブッククラブに入っていて、
そのクラブで提案する本を探すために書評を読み
そしてこの本が話題になり、内容をお父さんとコナーに話した、
という設定(『13歳の沈黙』は2000年の出版)。
まばたきだけで本を書いた、という場合、その本の著作者は誰か、
なんてこともちゃんとコナーに考えさせている。

なんか、すごくいい。こういう関連付け方。
そしてその多感な13歳の少年コナーは、言葉を話さない友人のために
何があったかを解明するために、カード方式を発明する。
はじめは関連のある単語を、そしてついにはアルファベットで、同じように。
この本の中で「沈黙」はとても雄弁に語ることになる。

13歳の時にこんな友情に巡り合えた二人は幸せだろう。
せめて私は、13歳の自分のために、今からでもカード方式で、
まばたきか、ノックか、わからないけど聞こえてくる微かな音に耳をすませて、
伝わってくる何かを受け止めよう。
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by iwashido | 2009-07-31 12:58 | 読書日記 | Comments(0)

ひさびさ読書三昧。

いや~、時間があるっていいな♪
細切れはいえ、去年より格段に本が読める四月です。
要するにひまってことなんでしょうけど。

このブログもまた読書日記にできるかも。
スキンころころ変えるのも、まだ気持ちが落ち着かないせいでしょう。

近くに満足できる本屋がないわりに、本を買ってるかも。
どこか行ったとき行く場所は本屋だし、アマゾンもあるし?

ここ1ヶ月くらいで増えたのは・・・
『三四郎』(夏目漱石・新潮文庫)
『定本 納棺夫日記』(青木新門 ハードカバーの)
『天顕祭』(コミック、上橋菜穂子絶賛の帯にひかれて)
『一番大切なお金の話』(書名違うかも。。西原理恵子のよりみちパンセ!)
『せんねん まんねん』(まどみちお 柚木さんの絵の絵本、読み聞かせ用に)
『日本語が滅びる時』(筑摩書房の、読みかけ、途中・・継続中)
『夢の中まで左足』(名波浩・ベースボールマガジン社だったか?)
*書誌データの不備は手元に本がないので・・後で訂正します。

今読んでいるのは、図書館から借りている本だけど、
『幸子の庭』(本多明・小峰書店)。ヤングアダルト向けの読み物というか小説。

東京子ども図書館が発行する季刊誌でずいぶん前に紹介されていて、
でもずっと読んでみたくて、それがようやく実現。
気になった本を検索したりリクエストしたりする余裕がなかったんだな。

不登校の少女(小6)が出てくる。庭が出てくる。
といえば『西の魔女が死んだ』(梨木香歩)を連想しちゃうかもしれないけど、
もうすこし日本的にリアルで、話の中心に庭師の仕事ぶりが展開されるあたり、
職業的興味もあり、読んでみたかった。
少女にとっては曾おばあちゃんにあたる曾祖母と曽祖父が暮らした家、
手入れした庭が主な舞台。地区は東京、井草周辺とされる。
庭が生き返る過程と、少女の心のプロセスがリンクして
たった2日のできごとなのに、旅をした気持ちになる。
また、庭師の職人のおじいちゃん(鍛冶屋さん)の話も出てくる。
鍛冶屋のじいちゃんがつくった鋏をつかいたくて、庭師になったという彼も、いい。

ところどころで紹介される山崎方代の短歌が、またいい味をだしていて。

「沈黙をつづけて来たる石ゆえに 石の笑いはとどまらぬなり」
(『幸子の庭』149ページに掲載 山崎方代の短歌 )

なんかこの句が好きになりました。
ひさびさに、笑える石になれるかも。
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by iwashido | 2009-04-27 15:06 | 読書日記 | Comments(2)

ビロードうさぎ

映画館に映画を頻繁に見に行くことができる環境ではないので、
我が家ではWOWWOWに頼る部分が多い。
ピンポイントで見たいものが確実に見られるわけではないが、
それなりに興味の周縁をかすめる佳作や珠玉作に遭遇することもある。

昨日の自分ヒットは 『オフサイド・ガールズ』2006年のイラン映画。
イランでは宗教上の理由からだと思うけど、
女性がスタジアムでサッカー観戦をすることは禁じられている。
2005年、イラン代表がワールドカップ出場をかけた最終予選の頃。
それぞれの想いから、なんとかしてスタジアムにもぐりこんでサッカーを見ようとする女たち。男装するもの、軍服姿で紛れ込むもの。うまくいったと思いきや、兵隊に見つかってスタジアムの裏側に隔離された女性5名。
こういうのを見ると、サッカーは文化だと、改めて認識させられる。

それとは別の、もうひとつの楽しみは海外ドラマで、
私は「コールドケース」が好きで、キャサリン・モリス演じるリリー・ラッシュが好き。
自分に似てるところがあるからだろう。
そのリリーが、先週のドラマで「ビロードうさぎ」を手にするシーンがあったものだから、
私も思わず、家にあった「ビロードうさぎ」童話館出版のいしいももこ訳を引っ張り出してきて
読んでいる。いつか読み聞かせに使いたいけど、15分以上かかるのが難。
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by iwashido | 2008-12-19 09:23 | 読書日記 | Comments(0)

海獣に会いたい。

夏休みの終わりに行った、ビレッジバンガードで平積みしてあったマンガ本が、
急に読みたくなって、近隣(輪島)の書店へ行ってみた。
私のイメージは「平積み」してあって当然、と思っていたのに
平台は論外、棚にもどこにも見当たらない。ガックリ。

そして結局アマゾンで注文。
『海獣の子供』①~③(五十嵐大介・小学館IKKI Comics)。
出版社勤務の後輩のおススメで、ようやく買う気に。

平凡社の『動物大百科/海生哺乳類』などを本棚からひっぱりだして眺めたりもして。
イルカ、オルカ、アザラシにクジラ。
クジラの歌も聴いてみたいな。
そしてきわめつけはやっぱりジュゴン。人魚のモデルともいわるそうな。
むかしむかし、たいくつだった小学生の頃、
タオルケットを下半身に巻きつけて、先を紐とかでしばって「人魚」になりきって遊んだことなどもふいに思い出した。首には縁日で買った安っぽいアクセサリーをまきつけて人魚姫ごっこ。

のとじま水族館のスナメリが死んだというニュースを聞いたのはいつだったかしら。
こんな海の近くに住んでいるのだもの、
いつか海獣に会いたい、うん、きっと会えると思うよ。
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by iwashido | 2008-09-27 15:20 | 読書日記

チムニクワールドへようこそ。

『レクトロ物語』(福音館書店)をようやく読む。
昨年、とある財団からたくさん本をいただいた中の1冊。
福音館文庫の復刊で、作者のチムニクのことも、内容もまったく知らなかったけど
なんか面白そうだな~って、本全体から伝わってくるような本だった。

そのくせ手にしてから半年以上、読み始めることができなかった。

文庫の先輩が、とある集まりでチムニクの本のブックトークで
たくさん本を紹介してくれたので、やっと読み始めるきっかけをつかんだ。
県立図書館から『タイコたたきの夢』と『熊とにんげん』も一緒に読む。

いいです、チムニク。そして物語の主人公であるレクトロ。
いろんな職業に志を持って就いても、レクトロの願いは
ごく普通の職業意識をいつも少しだけはみ出してしまって、
そのはみだしがいつしかとんでもない事件に結びついて
そしてその職を追われたり、自ら退いたり。

郵便配達や消防士や動物園の管理人。
その他いろいろな仕事をエピソードに物語が綴られる。
一番好きなのは、
道路清掃の仕事では雪かきもすることになって、その雪に見せられて
アイスキングに出会う冒頭のお話かな。

私もこんな気持ちになったこと、あります。
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by iwashido | 2008-07-14 09:48 | 読書日記 | Comments(0)

本を選ぶということは。

ブックオフ系の古本屋で、児童書を散策。
学校の図書ボランティアで、少しだけ自由に使える図書券その他があって、
少しでも本の冊数を増やすためには、新しい本だけを買う訳にはいかない。
それくらい、蔵書量がさびしく、予算もさみしい学校図書館なのだ。

でもでも、自由に選べる、ということはたまらなくうれしい。
棚を作るときには、学校図書館全体のビジョンが必要で、
それは本来ボランティアの仕事ではない。
わたしたちはせいぜい、こんな本があると読み聞かせに使える、とか
この本はあの子にリクエストされた、とか、
少年少女に旬の1冊を読ませたい、そんなあたりで選ぶしかない。

100人いれば100人の意見があって、
どの本をそろえればいいのか、迷うところです・・・。

自分のためには「金魚屋古書店出納帳」を買いました。
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by iwashido | 2008-07-03 11:45 | 読書日記 | Comments(0)

図書館のない世界なんて。

ある時、自分の身近にいる人から
「人間は本や図書館がなくても生きていける」と言われた。
私が本や図書館を偏愛していることをその人は理解しているはずと思っていたにもかかわらず、それを私に告げるっていうことは、何を意味しているんでしょう。

中には生まれてから死ぬまで、1冊の本も読んだことのない人物もいるでしょう。昔の人は、本なんか読まなくたって、立派に野良仕事をして、子ども育てて、大往生したのかもしれない。今でもそういう人がいない、とは言わないけど。

これからの時代を生きる若い人たちに、そういうこと言っちゃっていいのかなぁ。
本読まないで大人になる子もいるし、それは好き嫌いもあるし、強制はできないけど、本の世界ってこんなだよ、面白いし、普通だよ、って伝えることは無意味? 罪悪? もしくは迷惑。私は理解されないことをしようとしているのか・・。

『図書館革命』(有川浩・メディアワークス)は、本のために、検閲に対抗するために、職責を全うする男女がたくさん描かれていて、うらやましい。
こういう世界では、本や図書館がない、ってことはありえないので、
今の私には心の慰めになる1冊でありました。
有川浩の「図書館シリーズ」もとりあえずこれで完結。
4冊続けて再読したくなりました。
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by iwashido | 2008-04-04 05:46 | 読書日記 | Comments(2)

卵を孵すために。

『医学のたまご』(海堂尊・理論社/ミステリーYA)を読む。
『チーム・バチスタの栄光』等で一躍脚光を浴びた現役医師による、少年少女向けに書かれた医学ミステリー。

時は2020年、「潜在能力試験」で最高点を取った中学生の薫くん。
普段はボーっとした感じの彼が最高点を取れたのはワケ有りなんだけど、
その彼が、東城大学医学部の学生となって、解剖学研究室で研究をすることになる。
東城大学というのは「チーム・バチスタ」等でおなじみの大学病院という設定で、
関連シリーズを読んでいる方にとっては二倍楽しめるかもしれない。

アメリカに住む世界的なゲーム理論学者のパパと、息子である薫くんが、
ネットを介してメールで瞬時に意見を交わしながら
己の弱点を見つめ、大人たちの狡猾さに翻弄されながら、
自分なりの正義をつらぬいていくある意味成長物語でもある。

「医学のたまご」の英訳として、表紙に添えられた言葉は「Doctor-to-be」。
それぞれが自分の夢を叶えるために、一歩一歩進んでいけたらいい。
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by iwashido | 2008-04-01 09:14 | 読書日記 | Comments(0)

今年こそ、梅。

うちの畑に梅の木が何本かある。
毎年、義母が梅干とか梅ジャムを、私は梅ジュースを作る。
それでも毎年使い切れないくらい、生る。人にもあげるけど、まだ余る。

『梅づくし』(林弘子・バジリコ出版)という本を買った。
梅をこんなにも使えるのか、と目からウロコが落ちるくらい。
見栄えがよくない、そばかすの梅でも、美味しくなるんだよ、と
いろんな知恵がいっぱいつまっている。
今年は、いろんなことのレパートリーを、少しずつ、広げたい。

出来ることから、一歩ずつ、かな・・・。
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by iwashido | 2008-03-19 09:37 | 読書日記 | Comments(0)

本を読む春。

ずいぶんと暖かく感じられる今日この頃。
心なしか空も青い。

桜庭一樹『私の男』を読了。
ちょっと前までは、この人の作品なんてひとつもおいてなかった当市図書館にも、
直木賞受賞後は『赤朽葉家の伝説』までちゃんと揃えられるようになり
まあ賞をとるってそういうことなんだよな、と実感。

北の、オホーツクの海の、流氷の接岸した海岸線で、
どこまでが陸で、どこまでが海なのかわからなくなる、
その感覚は深く同感。
毎日の散歩で浜辺を歩くとき、海と陸の境目なんてよくわからんなぁ、
って思うあの感じ?

一日一読、をまた始めたい。
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by iwashido | 2008-03-18 09:04 | 読書日記 | Comments(0)

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