「かえるくんと、奥能登をすくう」
タカコがアパートの部屋に戻ると、巨大な蛙が待っていた。日本の後ろ脚で立ち上がった背丈は2メートル以上ある。体格もいい。身長1メートル60センチに満たない標準的な体型のタカコは、その堂々とした外観に圧倒されてしまった。
「ぼくのことはかえるくん、と呼んでください」と蛙はハスキーボイスで言った。
タカコは言葉を失って、ぽかんと口を開けたまま玄関口に立ち尽くしていた。
「そんなに驚かないでください。べつに危害を加えたりはしません。さあタカコさん、早く中に入ってドアを閉めてください」とかえるくんは言った。
タカコは背負っているリュックサックと、右手に食パンとアボガドとツナ缶の入ったスーパーのレジ袋を下げたまま、言われるがままにドアを閉めた。一人暮らしで最近ここに住み始めたタカコはできる限り目立つことは避けたかった。「さあタカコさん、はやく靴を脱いで」
タカコは名前を呼ばれても不審に思わなかった。表札も出していないし、見ず知らずの蛙にいきなり名前を呼ばれることを特に不審とは思わなかった。そしてかえるくんに導かれるように、キッチンのテーブルの椅子に座った。
「タカコさん、お留守に勝手に上がり込んでしまって申し訳ありません。さぞや驚かれたことでしょうね。でもこうするよりほかにしかたなかったのです。いかがですか、コーヒーでも飲みませんか。さっきセットしたコーヒーサーバーからもうすぐ2杯分の珈琲がご用意できます。タカコさん愛飲の珈琲豆を、少し使わせてもらいました、許可も得ずにすみません」
タカコはリュックを背負ったまま、テーブルの上にスーパーのレジ袋を投げ出していた。これは何かのいたずらなのだろうか…誰かが着ぐるみの中に入って私を揶揄っているにだろうか? でも鼻歌を歌いながらマグカップにコーヒーをきっちり二等分に注いでいるかえるくんの身体つきや動作は、どう見ても本物の蛙だった。かえるくんはマグカップをひとつタカコの前に置き、ひとつを自分の前に置いた。
「少しは落ちつかれましたか?」かえるくんはコーヒーをすすりながら言った。タカコは疲れてはいたが、無性に珈琲を飲みたかったので言葉を発しないまま、かえるくんがいれてくれたマグカップの珈琲をひとくち、飲んだ。美味しい。これはいつも私が飲んでいる珈琲と同じ味だ。
「本来ならばアポイントメントをとってから来るべきものです、黙って女性のアパートの部屋にお邪魔するなんて紳士のすべきことではない」とかえるくんは言った。「それはよくわかっているのです、タカコさん。アパートに帰ったら、突然大きな蛙が待っていたりしたら誰だって驚きます。しかしとても大事な急ぎの用件があったのです、失礼の段はおゆるしください」
「用件?」タカコはようやく声を発した。「この私になんの用件が? 私は最近このアパートに住み始めたばかりで、家族以外の誰にもそのことを教えていないのに」
「そうですがタカコさん、そうまでしてあなたにお力を借りるしかない、緊急の事態が迫っているのです。いくらなんでも用件も無しに他人のお部屋に上がり込んだりしませんよ。ぼくはそこまで礼義知らずではありません」
「私の仕事に関したことですか? でも私は休職中でもう年末前には辞めることになっています。入院していて、退院したリハビリのためにこのアパートを借りたのに」
「答えはイエスであり、ノーです」かえるくんはタカコをまっすぐにみて言った、「ノーであり、イエスです」
タカコにはかえるくんの真意が測りかねた。まずは落ち着かなければ。リュックサックを肩から下ろし、手帳を開いた。とくに今日の予定はない。テーブルの上のマグカップを掴んで珈琲をもう一口、ゆっくりと飲んだ。かえるくんの淹れてくれた珈琲は思いのほか美味しかった。お店で飲むのと同じくらい。
「ひょっとして、あなたはどこかのコーヒーチェーンでアルバイトでもしていたの? パティシエ修行中の男子が着ぐるみを着ているのかしら」タカコは思いきって聞いてみた。
「ハハハハハ」かえるくんは思いっきり笑った。
「タカコさんはユーモアのセンスがありますね。だってどこのメジャー珈琲チェーン店がカエルを雇うというのですか。それにこれは着ぐるみではありません。ぼくは正真正銘の蛙です。鳴いてみましょうか?」
タカコは首を横に振って拒否の意味を示した。「かえるくん、それは止めてください、このアパートは音が響くのです。引っ越してきたばかりで隣人とトラブルを起こしたくはありません。だいたい最近は引越しの挨拶も不要だという事なので、隣や向かいにどんな人が住んでるかもしらないのよ」
「そうでした、女の人の一人暮らしというのは、不安なものです。しかも退院したばかりのタカコさんのお家にアポイントも取らずお邪魔して、わたくしとしたことが申し訳ありません。しかし、今回の訪問は故あってのことなのです。あなたにしか頼めない事態が、地下深くで進行しているのです」かえるくんは言った。
タカコはそれに応えて尋ねた、「それはいったいどういった種類の事態なの?」
「地震です」かえるくんは重々しい声で言った。
タカコは口を開けてかえるくんを見た。かえるくんもしばらく何も言わずにタカコの顔を見ていた。二人は互いを見つめあっていた。それからかえるくんが口を開いた。
「とてもとても大きな地震です。地震は1月1日の午前5時10分頃に能登半島を襲うことになっています。つまり一ヶ月後ですね。それはこれまで奥能登を襲ってきた地震よりも更に大きく、マグニチュードで言えば阪神淡路大震災よりも大きなものになると予想されます。ただし、奥能登は人口密集地域ではないので、死者数は千人レベルと想定されます。しかし交通網は分断され、奥能登に至る唯一の国道が壊滅的な被害を受け、停電と断水のため人々は戸惑い、しかもお正月だということで、普段いない帰省した家族や観光客に被害が及ぶ可能性があります。道路機能が麻痺し、消防車も救急車も無用の長物と化します。海に囲まれた半島なので津波が襲う可能性もあります。まさに地獄です。お正月の明け方、初日の出を見るまもなく、眠っていたところを大地震が襲うなんて、考えるだけで恐ろしい」、かえるくんはそう言って軽く首を振った。「震源地はE高校の近くの亀が池の地下深く、いわゆる直下型の地震と予想されています」
「E高校の近く?」
「正確に言いますと、高校の立つ小高い丘の地下深くということになります」
重い沈黙が続いた。
「それで、つまり」とタカコは言った。「あなたがその地震を阻止しようと?」
「そういうことです」とかえるくんはうなずいて言った。
「そのとおりです。ぼくがタカコさんの力を借りて、E高校のボイラー室の地下通路から地下隧道を通って、亀が池の底に潜むミミズくんを相手に闘うのです」
「ミミズくんとはいったい誰のことですか?」タカコはおずおずと尋ねた。
「ミミズくんは暗く湿った地底に住んでいます。巨大なミミズです。腹を立てると地震を起こします」とかえるくんは言った。「そして今ミミズくんはひどく腹を立てています。このところ能登半島で地震が続くのもそのためではないかと言われています」
「ミミズくんは何に対して腹を立てているのですか?」
「正確にはわかりません」とかえるくんは言った。「ミミズくんがその暗い頭の中で何を考えているのか、それは誰にもわからないのです。ミミズくん の姿を見たものさえ、ほとんどいません。彼は普段は暗い静かーな闇の中でいつも長い眠りを貪っています。ところがここ数年、北陸地方ではトンネル工事が増え、山が削られ、時折大きな音が響き何か長細い鉄のミミズのようなものが定期的に通過し始めました。それが地下深くに住むミミズくんの安眠を妨害していないと誰が言えるでしょうか? ミミズくんの目は暗闇の中で退化してしまいましたが、皮膚感覚を通して伝わる聴覚に変わる振動には敏感なのです。ひとつひとつの震えや響きを身体に感じ取り、それらを吸収し、蓄積しているのだと思います。そしてそれらの多くは何かしらの化学作用によって容易に憎しみというかたちに置き換えられます。どうしてそうなるのかはぼくにはわからないのですが」
かえるくんはしばらくタカコの顔を見て黙っていた。言ったことがタカコの頭に吸収されるのを待った。それからまた話を続けた。
「ぼくは個人的にミミズくんに対して反感や敵対心を持っている訳ではありません。ミミズくんは静かな場所を求めて北上を続けました。ぼくは、亀が池のカメを通じてそのことを知りました。カメはぼくらの友だちです、ですからどちらかと言えばミミズくんの味方であると思いたい。しかし向こうはぼくのことなど知りません。静かな場所を求めて北上していたところに、昨年6月と今年の5月に比較的大きな地震が襲いました。心地よい眠りには入ろうとしていたところを破られたのです。しかも二回も。そのことで彼は深い怒りに示唆されたひとつの啓示を得ました。そして、よし、それなら自分もこの能登半島で大きな地震を引き起こしてやろうと決心をしたようなのです。カメたちの情報によれば、それが真実ぼくの知りうる全てです」
タカコはハッとした。どうしてかえるくんは、奥能登のことを知っているの? ここは金沢だし、私は表札も出していない。ストーカーされる程の魅力が自分にあるとも思えないし、タカコの混迷は深まった。
「タカコさんはこの秋まで、高校図書館の司書をされていました。しかし司書とはいえ待遇は嘱託でした。昨年の6月と、今年の5月に立て続けに地震があって、高校は地域住民の避難所になるからということで、学校から1番近いところに住むタカコさんに、震度6以上の地震があったら駆けつけてほしい、という事務長からのお願いがあった。それはあくまでお願い、であって命令ではありませんでした。しかも地震が起きたのはどちらも日曜日と祝日だった。つまり、嘱託のあなたの勤務日ではなかった。それなのに、決められた出勤日に出社した時、やんわりと嫌味を言われた。そのことで長年迷っていた膝の手術をするという名目で、仕事を辞めることを決意された。概ねそう言ったことでしたよね。この理解で正しかったでしょうか?」
「かえるさん、」驚きのあまりタカコはつぶやいた。
「かえるくんです、タカコさん」とかえるくんは指を一本立てて横にふった、
「ぼくのことはかえるくん、と呼んでください」
「ごめんなさい、かえるくん。驚きのあまりびっくりしてしまって。どうしてあなたは私のことを知っているの? 夫にさえ詳しい理由は話していないのに」タカコは言った。
「かえるネットワークは日本全国から集まって来ます。タカコさんの能登の家の隣は田んぼですよね。田んぼに水を張り田植えをすれば、オタマジャクシが泳ぎます。オタマジャクシはいつしか蛙になり、もちろんサギに食べられたり、カラスにやられたりして命を落とすものも多いのですが、蛙の子は蛙です。全ての蛙の知りえたことは、水の振動を通してこのかえるくんのところに届くのです。この世に溢れる情報はあまりに多いので、その取捨選択をしてくれるのがカメです。タカコさんはいつだったか、駐車場のところで亀が池から上がってきたカメを助けてくれましたよね。そのまま行けば、一日おきにやってくる廃品回収車に轢かれていたかもしれないカメを、安全な場所に運んでくれた。カメは恩を忘れません。浦島太郎が助けたカメに連れられて竜宮城に行ったように」
竜宮城に行きたいわけじゃないんだけどな、とタカコは思ったが言わないでおいた。かえるくんの機嫌を損ねるつもりはない。こんなに上手に珈琲を淹れることができる蛙なんてそうはいない。カメとかえるくんが仲良しだとは知らなかったけれど。
「そして、カメ君が知りえた情報によれば、ミミズくんは、あなたの書く文章が大好きだというのです。人がものを書くときに発する波動は、空気の振動としてもしくは水面の波動として地球を駆け巡ります。音の無い音楽のようなものです。二回目の地震以降、タカコさんが文章を書いて、発表する機会が減ったそうです。そしてそれがミミズくんのご機嫌を損ねるほうに1票を投じているらしいのです。日記でもblogでも良いのです。ノーベル文学賞を狙うような穿った文章でなくて良いのです。新聞に投稿したり、同人誌に発表された作品もミミズくんの耳にはすべて届いています。特攻薬にはならないかもしれませんが、タカコさんの文章はボディブローのようにジワジワと、漢方薬のように身体の中から傷ついた心を癒してくれるのです。だから奥能登を助けると思ってぼくに協力してくださるおつもりがあるなら、タカコさんは、毎日何かを書き続けて欲しいのです。それは必ずやミミズくんに届くはずです」…(未完)
★以上の小説もどきは、村上春樹著『神の子どもたちはみな踊る』新潮社、新潮文庫に収録されている「かえるくん 東京をすくう」の2次創作です。というか、枠組みを借りてしまいました。村上春樹様、新潮社様、著作権の侵害をしたのなら申し訳ありません。 しかしこのような形でしか伝えられないことがありました。地震はきました、というかそもそもこれを書き出したのは地震の半年後くらいです。タカコにできたことはせいぜい、地震が起きる時刻を十一時間遅らせることぐらいでした。それでも、あの地震が早朝でなくてよかったと思っている人は多いと思います。。。
「古書店主のための手引き書」
リストなら書けるかもしれない。
長くて立派な文章ではなくても。
しかしなんでもそうだが、現実は甘くない、古本屋ははっきり言って力仕事だ。本は1冊1冊は綺麗で軽くて優しいけれど、束になってやってくるとこれはもう力技だ。しかも古本は、いる本もいらない本も一緒になってやってくる。買取に来て、と言われれば損得無視で駆けつけなければならないし、ゴミのような本まで引き取ってと言われる。わたしは断ることが苦手なので、結局なんもかんも引き受けて倉庫荷押し込む。それを区分けして、値段をつけて、捨てる物は捨てて、交換会に出すものは出して、と分けなければならないのに分けることが不得手だ。古本屋は決して綺麗事でできる仕事ではない。。それでもやりたいと思う人が絶えないのは何故なんだろう?
古書店主のための覚書
・古本屋は体力勝負である。常に身体を鍛錬し足腰を鍛えよ。
ただ本を買うために古書店を訪れる人にとっては、1冊の文庫本でも自分の気に入った物があれば満足で、静かに座って店番をしている店主に「好きな本に囲まれて、いいご商売ですね」などと、褒め言葉のつもりで声をかけたくなるかもしれない、しかしそれは決して褒め言葉ではない。その1冊がきれいな状態で棚に並ぶまでには多くの場合、以下のような手順が踏まれている。
仕入れた(買い取った)本をまず1冊1冊にバラし、埃を取り、値札を剥がし、書き込みがないか確認し、できる限りきれいにクリーニングする。挟まっている個人情報的なもの(ハガキや領収書等)は処分する。帯やカバーの状態も確認し、本の状態が「美品/良好/並/並下/などに分類する。
自分の店では扱えないと思った本は、適切な方法で処分する。例えば、新古書店に買取として持ち込む、市(交換会)に出す、イベントで見切り品扱いで売ってしまう、オークションサイトに出す、最終的には廃品回収としてちり紙交換やリサイクルステーションに置いてくる。
・古本の生命線は仕入れにあると心得よ。
スマートフォンやフリマアプリの普及によって、誰もが自分の不用品を気軽に「売る」という行為ができるようになった。しかしそれはあくまで個人的なフリーマーケット、もう読んだからいらないベストセラー本を安く売って小遣い稼ぎという範疇だろう。
卑しくもプロの「古本屋」を名乗るからには、自分の本を売るということだけで満足してはいけない。世の中には自分が知らない本の世界が広がっている、できる限り頻繁に市(交換会)に足を運び、できれば大都市圏のそれにも参加し、良い商品を仕入れなければ商売とは言えない。もちろん趣味でブックカフェ、家族の扶養の範囲でマイペースに本を売るだけならそれでもよい、しかし古本道の奥行きは深く険しい。石の上にも十年という言葉が示すように、10年経ってようやくその道の入り口に立ったようなものだと、筆者は思う。
もう本なんて読みたくない、触りたくないと思うほどに本に塗れて一人前である。
•仕入れの要請を受けたら、億劫がらずに早急に対応せよ。宝はどこに眠っていかわからないものである。
・Jは友人の元夫で、今は失業保険を受給中であるようだ.Jの元妻Nさんとは年離れているが友だちなので、大体あったことは報告している.別れたとはいえ、私見ではあるが離婚してからのほうが二人の関係は良好に見える.こじれたらお互い距離を置くというのは人間関係の徹束だ.Jがある日突然ショートメールメッセージで連絡してきて今から銀行にいく用事があってそっちら辺にいくから、本を引き取ってもらえないか、ということであった.もちろんこういう時は即時対応である.大丈夫ですよ午後からなら店にいるからと返信を返して徐に店に向かう.
隣に地域協力隊の事務所のような若者の溜まり場ができてから、年寄りでこの地域に馴染めない自分はとてもこの場所に足を運びにくくなった、隣は常時誰彼あつまって楽しそうなイベントの相談、もしくは未来への希望、もしくは今晩の飲み会の準備などをしているのだろうに、こちらは来るか来ないかわからない来店者を待ってひたすら本の作業である、しかも夏場にエアコンがない、暑がりの私にはもう無理だ、ここに来ることが苦痛なら新天地を探すしかないだろう.そう思っている時に「来店しますよ」などと連絡がああるともう天にも登る気持ちである、ああ早くバーのマダム、カフェのママのような余裕のある態度を持った大人になりたい.私はこう見えても男の人が苦手なのだ、できるだけ他人とは近しくなりたくない、本だけ買ってくれればそれでいいのに田舎では人と人の距離感が近すぎる、誰かが事故を起こしたり流行病に罹ったりオレオレサギに騙されたりしようものなら、その噂は瞬時に町(村)を駆け抜ける、どこのカフェに誰が誰と板田の、あの車のNo.は誰のだから今日は会社休みなんかね、とかプライヴァシーという概念がこの町にはないと思った方がいい.古代ギリシア語に「意志」とか「未来」という概念がなかったと推測されるのと一緒だ.
考えてみて欲しい、英語で未来形は「Will」という助動詞で表現する、willの名詞形は「意志」という意味を持つ、これはただの偶然だろうか? 意志が未来を作り、その意志というのは人間(あなた、であり、わたし、であり、誰彼という3人称)が持つものだ.自然は意志を持つのだろうか? 自然は人間ではないので意志はもたない、それを勝手に擬人化したり(台風に女子の名前をつけるアメリカ的伝統)、こうなって欲しいという期待ヲログラムにこっそりしのばせて、AI的予言を作ったりするそういうための「will」ではないのか? 別にわたしは陰謀論者ではないし特定の宗教を信じる者ではない、強いて言えば誰も信じない教..。英語で、あるお母さんが、子供が公園で遊んで帰ってきた時「今日は誰がいたの?」と問いかけた、その答えが「NOBODYがいたよ」だったって話を読んだ、、、これは翻訳なのか英文なのかでニュアンスも変わるけれど、そういう意味では私はNO ONEを信じている、のかもしれない.つまり私が孤独であることは必然なのだ.未来を信じない、意志という概念に組みしない、今日お店に誰か来た? と言われて「Nobodyが来たよ」と言えるくらいにならないとなぁ...ともかく今日はJ氏がくる、しかも鴨がネギ背負ってやってきてくれる、せめてコーヒーくらい入れてあげよう.そう思ってお店に向かう.
流されて流されていつの間にかこんなところに辿り着いてしまった、
人生は川の流れのようで、思った通りの場所には行けない、
もともと何ものかになりたかった訳でもない、
だからこれでいいのだ、と言っていればいいものを、
そこが生来の捻くれで、こんなはずではなかったとしか言えない。
もう誰かに評価されるために何かをするのはやめよう、
誰かに悪口を言われたくなくて、いい顔をするのもやめよう、
どのみちこの国では、だれも面と向かって悪口は言わない、
いうのはいつも陰で、その人のいないところで、
何食わぬふりで、悪気もなく、そっと無視するように、
真綿で首を締めるように悪口は語られる、
いいのだ、この国で、この土地で仲間を求めるのはもう諦めた、
この国の言葉と相性が合わないのなら、合う言葉を探そう、
詩の言葉でも、数学の言葉でも、異国の言葉でもいいではないか。。。
誰かの居場所になるのも止めよう、
ただ一人歩め、だれもついて来なくても、本が売れさえすれば良い。
私って短気さ、すぐに腹を立てるさ、オバケになっても
きっと短気さ。
昔からそうさ、思い通りにならぬと、癇癪起こして
騒ぎ立てるさ。
土曜日はカレーさ、うちの夕食は、ボンカレーでもいいから
カレーにしてよね。
そこまで来てるよ、頭は出てるよ、あとはそれを勇気持って
外に出すだけ。
傷口は見たくない、誰だってそうさ、でも傷を見ないと
いつもそのまま。
友達って何さ、思い通りになる人? そんなことないさ、
信じられる人。
そんな人いないさ、だれだって独りさ、一人で産まれて
ひとり死ぬだけ。
人生って何さ、意味なんてないさ、だけど「今ここ」では
誰もが平等。
お金なんてないさ、貯金なんてないさ、明日飛行機に乗って
どこかに行こうか。
逃げたらだめさ、もう逃げられないよ、背後にあるのは
崖っぷちだけ。
飛び降りる勇気は あってもするなよ、窮鼠猫を噛めば
何でもできるさ。
腹を立てていいさ、嫌いになっていいさ、悪口を言うななんて
だれに教わったの?
水が清すぎて 魚も住めない、いろんな魚には濁った水が。
濁ってもいいさ、それが私さ、清すぎる天使には
ならないでおくれよ。